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◆インド料理について◆:

インドについて考えてみた。そして調べてみたり、先生に聞いてみた。けれど 誰一人として同じ答えは帰って来ない。しかもそれは全て正しいことなんだそうだ。 果たしてインドとは?どうやら他の国と違って一筋縄じゃいかなさそうだ。そして インドを知れば知る程、日本と言う単一民族国家の特殊性が浮かび上がる。

映画「ムトゥ踊るマハラジャ」での一場面 。隣村との境界線を超え、ある男が身なり のいい男に「御主人様」と声をかける。ところが身なりのいい男は大怒り。 なんと「御主人様」はその村では「犬っころ」に言葉が早変わり。 インド憲法では公用語として18の言葉が定められている。けれど実際は600以上の言葉と 100以上の書き方が存在する。 これでは、考え方、情報、いろんなものを一筋縄ではくくれようがない。

公用語であるヒンディや第二公用語である英語を使わない人々も 多い。またインドの女性はあまり住んでいる地域から離れたがらない習慣があるそうだ。

また国民の87%を絞めるヒンズー教も数えきれない程神様がいて、数えきれない程の 教典がある。クッキングクラスの先生の神様も先生によって違っていた。

インドを国に例えようと、ひとくくりにするのは、インドの神様の数の分だけ難しい。 けれどもあの辺りの地域を「インドという概念」に置換えてみると、少しだけ見えてくる。

インドの国土は日本の9倍、地域の特性差もそれだけ大きい。 南部の海岸地域ひとつをとっても、軽井沢のような気候もあれば、年平均気温が27度の常夏 地域、47.5度の熱波がふきあれるところもある。

またインドの北部地域が赤道から離れていても気温が高い理由として、海から遠いため、海洋からの水分補給 による雨が少ないこと。そして人口密度が高い為砂漠が発生していること(砂漠の発生は人為的要素が 高いとされている)。さらには砂漠から発生する高熱の空気団の影響で周辺地域の気温をさらに 高めている事が要員とされる。

高い気温の元で生活をするには、塩とスパイスが不可欠。 塩は気温の上昇により体内から蒸発する塩分の補給をし、スパイスは厳しい環境下で体を整える役割を 持っている。

インドでは「アーユルヴェーダ」といって自然からの伝統医学が発達している。 スパイスには中国の漢方薬と同じ物が多く含まれておりアーユルヴェーダは漢方のルーツとされている。

またインドの食文化の特色は人口の83%を占めるヒンズー教にあり、牛を食べる事がタブー。 日本では「牛肉100%」で売り出しているマクドナルドは、インドでは「牛とその関連製品は 販売しておりません」が売り文句。インドーに2件存在するマクドナルドの主力商品は ノンンベジタリアン用のマハラジャマックといってマトンを使ったバーガー。そしてベジタリアン 用に豆、野菜、スパイスを使ってつくったマックベジがある。

また宗教上の理由からベジタリアン(菜食主義者)が多く、そのベジタリアンも信仰する宗派によって食べる物が 変わって来る。同じヒンズー教でも信仰する神様や役割、家庭によって地中の虫を損なうとされる 根菜類を一切食べない方や、ニンニク、にら、玉ねぎ、きのこを食べない方達もいる。

ところで宗教上のタブーが先か食文化が先か。実際は食文化を理論化する為に宗教上のタブーが できあがったとされていて、牛が宗教上、禁忌になった理由としてインドという過酷な環境下で 牛を育てるパワーが、食から得られるパワーを上回った為とも言われている。

各宗教そして厳しい環境下により、多くの食材を制限され、暮らすインドの人々の料理の共通 点は、 体内を整えるスパイス。 スパイスには、一つ一つ役割がある。その特徴をどうアレンジするかで、その人だけのお料理ができあがる。 インドの料理はコツをつかんでしまえば、どのお料理にも使え簡単で楽しいものだ。インドではスパイスと素材を調合した食べ物を総称して「カリー」と呼ぶ。30〜40種類使われるスパイスは、その時の素材や体の調子によってアレンジしてもよし。そんなスパイスの魅力を少しだけレクチャーします。



 
 
色をつけるスパイス
●ターメリック…黄色
●パプリカ………赤色
●サフラン………黄色
香りを出すスパイス
●コリアンダー(粉末)……爽やかな甘さ カレールゥの香り。食欲増進や抗菌の効果 がある。完熟した果実を乾燥させて作るスパイス。
●シナモン……りんごと相性の良いスパイシーで甘みのある香り。消化促進作用がある。樹の皮から取れるスパイス。
●ナツメッグ……挽肉や木いちごに合う甘くほろ苦い香り。熱を加えると甘い香りが増す。果 実から取れるスパイス。
●アニス……お菓子・ケーキ・クッキー等と相性の合う甘い香り。植物の種子から取れる。消臭効果 がありインドでは食後に噛む習慣がある
●オールスパイス……甘さを引き立てる香り、やや薬臭があり味は辛みがある。防腐、抗菌作用、身体をリラックスさせる作用がある。
●カルダモン……清涼感ある甘い香りと軽い苦味の味がする。インドでは食後の消臭予防に使われる
●クミン……スパイシーな香り。苦味と辛みが少しだけある。消化を助け、胃腸内にガスがたまるのを防ぐ作用がある。
●スターアニス……スパイシーな香り。味はわずかに苦味がある。杏仁豆腐の香り付けとして使用される。
●マスタードシード(粒)……口の中で噛み砕いた時に辛さが広がる。
●アニスシード……カンゾウに似た薬のような香り。防腐の効果 がある。
辛味を出すスパイス
●ジンシャー…………爽やかな辛み
●チリ……………………ひきしまる辛みを出す。
●ペッパー………………ぴりぴりした辛み
素材の食感を変えるスパイス
●ターメリック…………とろみ
香りを消すスパイス
●ターメリック…………魚の臭みをとる
●ナツメッグ…………挽肉の臭みをとる