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◆ペルー料理について◆:

初めてペルー料理を口にした時、その複雑さに驚きをかくせませんでした。
ありとあらゆる材料や作り方が取り込まれた豪華なお料理。一度食べた事がある人はそう感じるかもしれません。

「クリオーヤ料理」ペルー料理は総称してこう呼ばれています。スペインから持ち込まれた食文化にアフリカ、日本、中国そして原住民のものが見事に融合され生まれました。今回はペルーの風土的なことも盛り込んでクリオーヤ料理についてレクチャーをしていきます 。

日本の3.4倍の国土面積を要すペルーは、世界に存在する気候帯の3分の2にあたる350を越す気候区分を持っており、栽培できない作物はないと言われる程、恵み豊かな土地です。この気候をペルーでは「コスタ」「ヤルパ」「シエラ」の3つに大別 しています。

そしてこの3つの地域はそれぞれ全く異なる食べ物の習慣を持っています。
太平洋に広がる海岸砂漠地帯「コスタ」は 平均気温が20℃前後で雨があまり降りません。ここの海岸線の距離は南北約3000km。首都リマはこの地区にあり冬は雲に覆われ太陽が顔を出すのはごく数日だけ。

そんな乾いた空気のコスタ地区ではシーフードがこよなく愛されています。ムール貝、平目、鯛、カニ、イカ、タコ、エビ。
ペルーの代表的料理「セビーチェ(Cebiche)」には新鮮な魚介類に山間部で取れたとうがらしを合わせ、レモンをたっぷりかけたマリネ料理です。

またムール貝の産地が近辺にありChoros a la Chalacaというマリネ料理も代表的な料理としてあげられます。

そしてこれぞポテト王国の醍醐味! 山間部で取れた新鮮なじゃがいも数種類をひとつのスープに入れて味と食間の違いを楽しむそうです。

またペルーは原住民、スペイン人、アフリカ人、中国系移民、日系移民が住む多民族国家でもあります。日系移民と共にペルーに流入した醤油はペルーの食卓の定番調味料。醤油は現地では「Sillao」と呼ばれている。Lomo Saltado は牛肉とポテトフライ、トマトに醤油を入れて炒める定番メニュー。どことなく味が懐かしいのは日本とペルーが融合されたお料理だからかもしれません。

◆ソフィアが教えてくれるのはこの地区のお料理です



 
ムール貝のマリネ
たっぷりシーフード
AJI AMARILLO(アヒ・アマリージョ)
黄色い唐辛子ペースト
ペルー料理にかかせない一品
お料理に添えて混ぜて食べる
 
 



アマゾンのジャングル地帯「セルバ」は国土の50%を占めます。なんといってもジャングル地帯。料理のキーワードは「魚」と「バナナ」。そして珍味の数々。ワニはフライやステーキ、ナゲットとして、ピラニアはソテーやスープとしてテーブルにのぼります。この地域で良く食されるのが全長3メートルもある淡水魚パイチェ。パイチェはレモンをかけたマリネ料理「セビーチェ・デ・パイチェ」や「パイチェ・ア・ラ・ロレタナ」といったパイチェのステーキ料理になります。また大型淡水魚 ピラクルはフライにしてパンに挟んで食します。そしてナマズ。ナマズは粉末にしてダシとしてお料理に使うんだとか。

色とりどりのトロピカルフルーツをテーブルに並べペルーの国民的料理「セビチェ」(マリネ)(ここでは淡水魚が使われます)を真ん中に添える。ペルー流アマゾン料理のできあがりです。

 
 
◆アマゾンで捕れた魚◆バナナ◆巨大なナマズ 
 

アンデス山脈の西側山岳地帯「シエラ」は雪山が背後にそびえたちます。ここの最高峰ワスカランは標高 6,768m。
ジャガイモの原産地とされているのは3000〜4000mの地点です。ジャガイモは2000〜3000種類存在するそうです。アンデスでは紀元前から栽培されていました。他にもさつまいもや、トウモロコシ、かぼちゃ、トウガラシ、トマトがここを原産地とされています。紀元前3000年には栽培されていたとされるトウモロコシはとてもカラフル。黒、白、黄色、オレンジ。コロンビアではバナナの皮でまかれていたチマキのようなタマレスは、ここではトウモロコシの皮でまかれて作られます。

この地方は野菜の他にきのこや各種穀物等が収穫されます。アンデス人参といわれる栄養価の高い「マカ」はマカジャムやマカプリンとして加工され
ます。粟に似た穀物「キヌア」は数千年前からアンデス原住民の主食として食べ継がれ現在はケーキやクッキー、シリアルとしてテーブルにのぼります。

又、名産品として全粒粉を使用した「パン」があげられます。緯度が高い関係でカマが高温にならないため、パンは薄くひらたいですが、ぎゅっと全粒粉の味がつまった生地はなんともいえない旨味がするんだとか。

 
◆薄いパン◆数千種あるといわれるじゃがいも◆色とりどりのトウモロコシ