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◆メキシコ料理について◆:ライターNoa メキシコは中南米地域の最北部に位置します。 日本では「サボテンの国」という事で1年中暑いと思われがちですが、 メキシコの地形は複雑で気候は変化に富んでいます。 首都のメキシコシティは古代都市の上に建設された、標高2240mの中央高原地帯に位 置する大都市。1日の気温差は激しく、昼間は半袖で観光できても、朝晩には上着やコートが必要になったりします。 かと思えば日本でも有名なカリブ海リゾートのカンクンなどは冬場でも日本の夏の気候を満喫できるのです。 もし時間があれば地図でメキシコを見てください。 東西南北に横たわるメキシコの姿はめるで「チレ(唐辛子)」。 気候柄、色々な野菜・果物が年間を通してとれますが、なんと言ってもメキシコ料理に欠かせないのがチレです。 色・形・大きさと多種多様で、時には野菜として、時にはサルサの材料として、生・乾燥・燻製と揚げたり焼いたり煮込んだり、チレはメキシコ料理の色んな場面 で使われます。 これはメキシコ特有の食文化で他に類を見ないことでしょう。 下記の写真はメキシコで使われる代表的なチレです。 これはメキシコのチレの一部です。この他にもたくさんの種類のチレがメキシコにはあるのです。 | |||
チレ.アバネロ | チレ.アルボル | チレ.アンチョ | |
チレ.ウァヒージョ | チレ.カスカベル | チレ.セラーノ | |
チレ.チポトレ | チレ.パスィージャ | チレ.ポブラーノ | |
チレ.ハラペーニョ | チレ.マンサーノ | チレ.ムラート | |
チレ.モラ | |||
そしてメキシコ料理に欠かせないと言えば「トルティージャ」です。 トルティージャはメキシコ人の主食と言っても過言ではありません。日本人にとってのご飯と同じなのです。 トルティージャはとうもろこしの粉か小麦粉でつくられます。 日本でも有名なタコスの皮はもちろんのこと、揚げたり、煮込んだり、スープの具になったりとメキシコ人の食卓には必ずと言っていいほど使われています。 スペインにもトルティージャと呼ぶ料理がありますが、これはメキシコのそれとは違い、オムレツのような卵料理です。 新鮮なシーフードはユカタン半島沿いのカリブ海側やメキシコ湾沿いで堪能できます。 その他に変わった食材は「ノパール」と呼ばれるウチワサボテンやかぼちゃの花、そして「グサーノ」の呼ばれるイモムシ。 ウチワサボテンはステーキやサラダ、6月〜8月には「トゥナ」と呼ばれる果実がなります。かぼちゃの花はタコスやスープの具になり、イモムシは油で炒めてタコスの具になったりします。 ドリンクにはコーヒー(時にネスカフェ)、チョコラーテ、そしてコーラ。メキシコ人はコーラや炭酸ジュースが大好きです。「Jamaica:ハマイカ」と呼ばれる花(ハイビスカス)の赤いジュースもあります。 お酒はもちろん「テキーラ」。テキーラは竜舌蘭というサボテンの一種から作られる蒸留酒。 商品化されたテキーラのアルコール度数は平均38〜40度。蒸留は2回行われますが、1回目の蒸留後なら90度あるそうです。現在の蒸留製法はスペイン人が征服の際に持ち込んだ製法です。 「テキーラ」はハリスコ州で作ったものしか、その名を名乗ることはできません。他の地域で作られたものは原材料・製法が同じでも「テキーラ」を名乗ることはできないのです。ちなみにオアハカで作られたものは「メスカル」という名前で呼ばれています。中にはイモムシ「グサーノ」が入ったものも売られています。 スペイン人の征服後、スペインの影響を多大に受けたメキシコですが、料理については今もなお、マヤ・アステカ文明の土台の上に根ざし、気候風土に合った調理方法を生み、独自の郷土料理を誇っています。 映画「赤い薔薇ソースの伝説」でも登場する「チレス・エン・ノガーダ」はプエブラで作られた独立を祝う料理。チレ・ポブラーノに牛・豚・鶏などのひき肉と桃やアーモンド、果 実の砂糖漬けなど色々な具を詰め、ひき潰したクルミを混ぜた生クリームをかけ、ザクロの実、シラントロ(コリアンダー)をあしらった料理で、緑・白・赤とメキシコの国旗の色を表している名物料理です。 最後に少しだけメキシコの市場に足を伸ばしましょう。 メキシコの市場は歩くだけでも楽しいです。たくさんの野菜・果 物・そしてチレが山積みになっています。お惣菜や色んなサルサも売っています。お花は原色で派手なものばかりです。 そして何より安い!メキシコでは驚くような安さで食材が買え、食卓を彩るのです。 | |||
チレ写真協力:メキシコ料理レストラン 「ラ・カシータ」さん HP:http://www.lacasita.co.jp/index.html 市場写真&ライター:のあ |