第三十一回 「南インド料理教室」  

             夢兎



昨日、南インド出身のインド人、ラサさんの料理教室へ行っていきました。

これは、ネットで申し込む料理教室で、

「横浜本牧・山手・根岸米軍住宅などに住む世界各国の方が、それぞれの家庭で料理を教えてくれる」

という、とてもステキな企画。




横浜根岸で一人暮らしをしていた時にはよく参加していた。

その頃行ったのは、インド人さん、バングラディシュ人さん、コロンビア人さんのご家庭。

どの家庭も英語で教えてくれるため、料理だけでなく英語の勉強にもなる。



ただ、この料理教室は定員4〜7名で、すぐに満員になりなかなか予約が取れない。

仕事が不規則な頃は1ヶ月後の予定などわかるわけもなく、迷っている間に満員。

最近、ようやく規則的に休みのある部署になったので、久々に参加することに。

今回は実に2年ぶり。

インド人のラサさんに会うのは3年ぶり。



ラサさんは南インドの港町ビシャカパトナム出身。

旦那さんの仕事で日本に来て9年。

最近日本語の勉強をしているらしく、3年前は全く日本語を話せなかったのに、昨日会ったらペラペラになっていた。

今回の料理教室は英語と日本語を交えて進行。

今回の生徒は4人。

(子連れの方がいたので、実際はプラス2人)



料理の前に、簡単なヨガレッスン。

インド音楽の流れる中、呼吸を意識しながら行う。

部屋中を流れる本牧の風が心地よい。


ヨガの呼吸法、プラーナマーヤ。

ホットヨガでも何種類か習っているけど、本場の方がやると何かが違う。

たとえば、鼻から吸い鼻から吐くテンポの早い呼吸法。

顔全体で空気を吸い込み、顔全体で吐き出す。

その顔の動きは、日本人にはマネできない。

横隔膜の動きも目を見張るモノ。

ベコリベコリと音が聞こえてきそう。



「太陽礼拝のポーズ」



いくつかのポーズを習った後、瞑想を行う。

おだやかな気持ち(ちょっと眠い)になったところで、料理レッスンへ。



インド料理というと、誰でもカレーを思い浮かべるけれど、今回はカレーはありません。

しかも、ラサさんは辛いモノが苦手なお子様に合わせて、普段からレッドチリは使いません。

でも、他の香辛料をたっぷり使うため、やっぱり味はインドの味。

チリの辛さがない分、他の香辛料の香りが浮き立ちます。



今回のメニューは4品。完成品をご披露。




Vegetable Pulav(ベジタブル・プラウ)
 香辛料をきかせた炊き込みご飯。

 インドでは結婚式の後のパーティーでおなじみのおもてなし料理。日本で言う「お赤飯」の感覚かな。作り方はピラフに近い。

Raita(ライタ)
 香辛料の入ったヨーグルトソース。

 ヨーグルトに刻んだ野菜を入れ、香辛料と塩で味を付けるという、日本ではありえない組み合わせ。

Potato Patties(ポテト・パティ)
 野菜入りハッシュドポテト。

 揚げてないので油っこくない。

Peanuts Ladoo(ピーナッツ・ラドゥ)
 インドの典型的なお菓子。

 色んな種類があるけれど、今回は砕いたピーナッツとヒヨコ豆の粉で作った。



メニューを見てわかるとおり、ラサさんはベジタリアン。

ベジタリアンにも、卵と牛乳がOKの人とNGの人がいるけれど、ラサさんはOK。

「(肉を)カットしてなければ大丈夫」だそうです。

作り方を知りたい方は、<作り方>以下をご覧下さい。

 

スパイスは入れるタイミングで味が変わるらしい。

ラサさんのスパイス使いは、まるで魔法のよう。

何度も来てる生徒さんも、「どんなにマネしてもラサさんの味にならない」と嘆いていました。

さあ、食べましょう♪

部屋中、スパイスのいい香り〜。

お腹もペコペコ。

ラサさんにならって、手で食べてみる。

親指以外の手ですくい、親指で押し出すように口に入れ。。。

ボロボロボロ。。。


参りました。


料理はどれもさっぱりしていておいしぃ〜♪

Vegetable Pulavはクローブとカルダモンの香りがとてもいい。

ガラムマサラもパンチがきいている。

そのまま食べてもおいしいし、Raitaをかけるとさっぱりした味に。

Potato Pattiesは青トウガラシのさわやかな辛さにやみつき。

Peanuts Ladooは香ばしい香りがたまりません。

どれも、たくさんおかわりしちゃいました。



日本にあるインド料理屋さんは、ほとんど北インド料理らしい。

他の生徒さんから、東京駅の方に「ダバインディア」という南インド料理屋さんがあるとの情報ゲット。

ぜひ行ってみよう!



ただ、こうして家庭で一緒に料理して食べると、お店とはまた違ったおいしさがあります。

文化も学べるから、眉間につけている印が入れ墨ではないこともわかったし。

またラサさんの魔法にかかりに行こう。


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<作り方>

料理は4品同時進行。

でも、わかりやすいように1品ずつまとめておきます。

Vegetable Pulav(ベジタブル・プラウ)
材料:バスマティライス       2カップ

   紫タマネギ           1個

   ピーマン           2個

   ミックスベジタブル      1カップ

   にんにく、しょうが      みじん切りして大さじ1

   水              4カップ

   塩              大さじ2

   ガラムマサラ         大さじ2

   クローブ、ベイリーフ、シナモン、カルダモン 適量



一番右に写っているのがバスマティライス。

バスマティライスはタイのジャスミンライスと似ている香り米。

使う前に30分くらい水につけておくのは日本のお米と一緒。

スパイスの数々。

カルダモンはむかずにそのまま投入。

シナモンもスティックのまま投入。

油にスパイスを入れ香りを出し、刻んだ野菜を炒める。

途中でガラムマサラを入れて炒める。

バスマティライスと塩を入れてさらに炒める。

水を入れしばらく煮立たせた後、みじん切りしたにんにくとしょうがまぜる。

蓋をしてさらに熱し、最後は蒸らしてできあがり。




Raita(ライタ)
(材料:無糖ヨーグルト、タマネギ、トマト、塩、こしょう)

ヨーグルトに、刻んだ野菜を入れ、塩・こしょうで味を付ける。

きゅうりを入れることも多いらしい。





できあがり。これは簡単♪






Potato Patties(ポテト・パティ)
材料:じゃがいも       4個

   紫タマネギ        小1個

   青トウガラシ      2本

   パン粉         1カップ

   クミンシード      大さじ1

   塩           大さじ2

   コリアンダーリーフ又はガラムマサラ 適量

蒸したジャガイモの皮をむく。暖かいうちにむくべし。


野菜を刻む。

フレッシュな青トウガラシはあまり辛くないので子供でも大丈夫。

マッシュしたジャガイモとその他の材料をひたすら混ぜる。

よく混ぜたら型にとり、多めの油できつね色になるまで焼いてできあがり。

今回はかわいらしくハート型。







Peanuts Ladoo (ピーナッツ・ラドゥ)
材料:砕いたピーナッツ     1カップ

   ひよこ豆の粉       1/2カップ

   *手に入らなければ「きな粉」で代用OK。

   砂糖           1カップ

   バター          大さじ1

   水            3/4カップ

ひよこ豆の粉を、色がかわるまで煎る。

10分くらい。念入りに。

水を沸騰させ、砂糖を入れて粘り気が出るまで煮立たせる。

水にカラメル液をたらし、細く固まりができるようならOK。

ピーナッツ、ひよこ豆の粉、バターを加える。

弱火のまま混ぜ、鍋肌から離れるようになったら火から下ろす。

バターを塗ったプレートに入れてならす。

あら熱を取って冷蔵庫でさらに冷やす。

ナイフで切り分け、お団子にしてできあがり。






エッセイストの紹介
夢兎氏


Profile:

住まい・・・横浜市青葉区。

職業・・・公務員。

家族・・・IT企業に勤めるオットと2人暮らし。

趣味・・・旅行、ダイビング、マウンテンバイクなど。