第三十五回 「本場インドネシアの料理教室」  

             文:写真 夢兎



昨日、インドネシア出身のGrace(グレース)さんの料理教室へ行ってきた。当直明けの目をこすり、関内の職場からバスで本牧へ直行。

グレースさんはジャカルタ出身。ご主人の仕事の関係で9年前に来日した。気取ったところがなく、とっても気さくな先生。

今日の生徒は私を含めて6人。実際にインドネシアに行ったことがある方が多かった。先生や生徒さんから色々話を聞いていたら、インドネシアに行ってみたくなった。こうして、また行きたい国が増えて行く。。。

グレースさんは航空会社に長く勤められていたためか、とてもわかりやすい英語を話してくれる。ただ、私は当直明けのせいで時々ボーッとして聞き流してしまい、何度も聞き返してしまったのが申し訳ない。。。ただでさえヒヤリング能力に乏しいのだから、集中しなくてはと反省した。

グレースさんは、1人1人の様子をうかがいながら料理を進行してくれる。説明を聞き取れなかったり、食材について疑問に思っていると、その様子を見て“OK?”と声をかけてくれて、どんな質問にも納得がいくまで丁寧に説明してくれる。

そんなところに、グレースさんの人柄の良さが表れてると感じた。ほんとうにステキな先生!

今日の料理は4品。

・Asinan pepaya(アジナンパパイヤ)〜青パパイヤのサラダ

 2種類のチリと一緒にマリネしたもの。ひじょ〜に辛い!

・Pepes Udang (ペペスウダン)〜えびのバナナ葉包み焼き

 香辛料をなじませたえびを、バナナの葉で包んでスチーム&グリルしたもの。

・Soto Blora(ソトブローラ)〜ターメリック チキンヌードル

 春雨にチキン、もやし、にら、卵などを添えたもの。

 Bloraとはジャワ島の地名らしい。

・Wedang ronde(ウェダンロンデ)〜ピーナッツ入りお団子(ジンジャーシロップ添え)

 刻んだピーナッツの入ったお団子に温かいシロップをかけていただく。

Asinan pepayaはとにかくスパイシー!お水が手放せません。でも、辛い物好きの私にはたまらなくおいしかった。できるだけ長時間マリネした方がいいそうで、パーティーメニューにぴったり。

Pepes Udangはガーリックとチリが効いていて、なんともアジアンテースト。えびがプリプリ♪

Soto Bloraは特製チキンスープがおいしさの決め手♪鶏ガラを6時間以上煮込んで作ったそうだ。グレースさんは「スープにとてもこだわっている」だけあって、とってもまろやかでおいしい。

このスープにライムをしぼると爽やかな味に変身。その他のトウガラシ調味料を加えてもおいしい!さっぱりしていて何杯でもおかわりできそうだけど、デザートもあるのでがまんがまん。

Wedang rondeはもちもちしていて白玉団子のよう。ピーナッツに塩味がありジンジャーシロップもやさしい甘さなので、さっぱりしていて食べやすい。

どれもインドネシア本場の味でおいしかったぁ。とってもヘルシーなので、多少食べ過ぎても気にしなくていいしね♪

インドネシア料理は、とにかく不思議な食材が多い。普通のスーパーでは入手できないものも。

たとえば、トウガラシ。今回はAsinan PepayaにRed Chilli(大)とBird's Eye Chilli(小)を使った。

Bird's Eye Chilli?鳥の目?何それ?

グレースさんによると、Bird's Eye Chilliの方が辛く、Red Chilliは辛味というより香りと色づけに使うらしい。だから、両方必要、両方大事。

家に帰って調べたところ、現地の言葉で『チャベ・ラウィット』、訳は『鳥の目トウガラシ』とあった。やっぱり鳥の目。なぜに鳥の目。。。

それから、バナナの葉。これも簡単には入手できない。グレースさんが中華街で売っていると教えてくれた。

ちなみに、バナナの皮は色の薄い方が表、濃い方が裏。ライスを包む料理の時は色づけのため裏を使い、その他の料理は表を使うそうだ。

他にも、Salam Leaf(サラムリーフ)、 Pandan Leaf(パンダンリーフ)、Candlenuts(キャンドルナッツ)など、初めて耳にする食材がいろいろあった。

全部揃えようと思ったら大変だなぁ。今度、中華街を散策してみよっと。

料理が出来上がると、グレースさんはおもむろに花瓶に挿してある花を摘み、お皿に飾った。さりげなく飾ったお花ひとつで、ぐっと雰囲気が出る。まるでお皿に東南アジアの風が吹いたよう。

グレースさんのおもてなしを受け、インドネシアの空間を思う存分楽しんだ。

いつか、私もインドネシアに行けるといいなぁ。


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<作り方>

Asinan Pepaya(アジナンパパイヤ)

 ※2〜3時間マリネするため、すでに調理済み。

  材料を見ながら作り方を教えてもらった。


材料:青パパイヤ      1個

   Bird's Eye Chilli   5個 ※いわゆるタイ食材のプリッキーヌ(コメントniki)

   Red Chilli      1個

   酢(何でもよい)   大さじ1

   砂糖         大さじ1

   塩          小さじ1

   水          100cc

パパイヤの皮を剥き、半分に切って種を取り出して千切りにする。

※グレースさんはこんな便利な道具を使用。あっという間に千切りできる。


酢、砂糖、塩、水をボールに入れてまぜる。

刻んだトウガラシとパパイヤをボールに加えてまぜる。

時々かきまぜながら、2〜3時間おいてできあがり。

・Pepes Udang(ペペスウダン)

材料:えび(今回はブラックタイガー) 1パック(お好みで)

   バナナの葉

   スパイスペースト

     Red Chilli(種をとりのぞく) 5本

     shallot(小タマネギ)     6個

     ニンニク           4片

     Candlenuts(ロースト済み) 2個

     塩               小さじ1/4

     砂糖             小さじ3

     タマリンド          大さじ1

     ※タマリンドは缶を使うとラクチン。

      

スパイスペーストの材料をミキサーにかける。

※ミキサーで細かくならなければ、がんばってつぶす。

 インドネシアならではのこんな道具があれば便利。

 

えびとスパイスペーストをまぜ、15分以上おいて味をなじませる。

バナナの葉にえび(5匹くらい)をおいてしっかりと巻き、両端を楊枝で止める。

※バナナの葉を巻くとき、力を入れないこと。



蒸し器に入れて6分ほど蒸し、その後冷ます。

熱した焼き網に置き、バナナの葉に焼き色が付くまで両面を5分ほど焼く。

バナナの葉に包んだままお皿に盛りつける。



・Soto Blora(ソトブローラ)

材料:鶏胸肉(茹でて裂いておく) 200グラム

   春雨(茹でておく)     200グラム

   もやし(茹でておく)    

   ニラ(1センチに切っておく)

   ゆで卵

   Fry shallot(揚げたシャロット)あれば適量

   Kletuk(揚げたジャガイモ)  あれば適量

   スパイスペースト

     ニンニク        6片

     ショウガ        5センチ

     ターメリックパウダー  大さじ1

     レモングラス      2本

     サラムリーフ      2枚

スパイスペーストを準備する。

ニンニクとショウガを細かくつぶし、ターメリックをまぜる。

レモングラスは叩いて香りを出してから8センチくらいに切る。

 

フライパンに油を熱し、スパイスペーストの材料を炒めて香りを出す。

鶏ガラスープにスパイスペーストを加え、弱火で30分以上煮る。

Grace said, "The longer, the better."

 

Sambal(トウガラシの調味料)を作る。

Bird's Eye Chilli10本の種を取り、数分ゆで、すりつぶす。

鶏ガラスープを大さじ3加えてよくまぜる。

お皿に春雨を盛り、トッピングをお好みでのせてスープを注ぐ。

Sambal、Sweet Soy Sauce、ライムなどをお好みで加えていただく。

・Wedang Ronde(ウェダンロンデ)

 

材料:もち米粉    150グラム

   塩       小さじ1/4

   お湯      125cc

   ピーナッツ   50グラム

   グラニュー糖  小さじ2

   シロップ

     水        1リットル

     ショウガ     30グラム

     レモングラス   3本

     パンダンリーフ  2枚

     グラニュー糖   200グラム

皮をむいたピーナッツを細かく砕き、砂糖を加えて混ぜ、水少量を加えてまとめる。

もち米粉にお湯を少しずつ加えながらまぜ、まとまる柔らかさになるまでこねる。

 

2〜3等分し、それぞれに違う色をつける。(今回はの3色)

こんな食用色素を使った。

ウズラの卵くらいの大きさになる量を手にとってまるめる。

親指でくぼみをつけてピーナッツを包み、もう一度まるめてお団子にする。

 

ジンジャーシロップを作る。

ショウガとレモングラスは叩いて香りを出し、8センチくらいに切る。

パンダンリーフは1枚を2〜3つに裂き、くるっと結んでおく。

 

沸騰したお湯に材料を全て入れ、香りがしっかり出るまで弱火で30分ほど煮る。

こし器でこしながらポットに移す。

 

お団子を茹でる。

沸騰したお湯にお団子を入れてゆで、表面に浮いてきたらお湯を切る。

器にお団子をよそり、ジンジャーシロップをそそいでできあがり。


「マリマカン(いただきま〜す)♪」



エッセイストの紹介
夢兎氏



Profile:

住まい・・・横浜市青葉区。

職業・・・公務員。

家族・・・IT企業に勤めるオットと2人暮らし。

趣味・・・旅行、ダイビング、マウンテンバイクなど。