ランパさんがいなくなったのは、本当にショックでした。転勤なんだから仕方ないけど、淋しくてかなり凹みました。だって、ランパさんの料理はいつもおいしくて、楽しそうに料理を作るランパさんもかわいくて大好きでした。それに、毎回予定に ない料理も「これも食べてみる?」と出してくれるのがうれしかった。って、すっかり食べ物に釣られてますが。
でも、明るい希望の光が見えました。まるでランパさんとバトンタッチするかのように現れたマットさん。彼女もとっても料理上手でした。ほっ。しかも、結構アイディアが豊富で、先が期待できそうです。先日のクラスでは、「カボチャとブタ 肉の炒め物」なんて日本のタイ料理店では見たこともない料理を披露してくれました。 マットさんによると、タイのタイ料理店のメニューにもまずないだろうとのこと。家庭料理中の家庭料理らしい。これは辛くなく、むしろカボチャの甘みがあるので、辛いグリーンカレーを食べている間に箸休めとしてつまむと、舌に残った辛さがや わらぎます。一息ついて、再び辛い料理を楽しむ余裕が生まれます。 ちなみに、そのグリーンカレーは、ランパさんのレッドカレーのときと同様に、ブレンダーを使ってグリーンカレーペーストをホームメイドしました。これがまたいい香り。フレッシュな香草を使っているので、香りが新鮮でさわやかさを感じます。このグリーンカレーペースト、カレー以外にチャーハンにも使えるそうで、今回事前にオーダーするのを忘れたことが悔やまれなりません。これからクラスに出る方は、グリーンカレーペーストのおすそ分けがあるときは、申し込んでおいたほうがいい です。このさわやかさは、魚料理にも合う気がします。 今回はラープガイも作りました。鶏の挽肉を使ったスパイシーサラダ。マットさんは、「売ってる挽肉はおいしくないから」と、鶏の胸肉をブレンダーでミンチにします。そのときに、皮をむいたニンニクとパクチーも一緒に入れるので、タイらしい香 りのついた挽肉ができあがります。それを炒めるんだろうと思っていたら、大違い。フライパンに少量の水を注いで沸騰させ、そこにこの挽肉を入れてほぐしながら湯がきます。たっぷりの水でいい気もしますが、マットさん的にはここは少量にするのがポイントらしいです。でも、そのせいなのか、鶏の挽肉はふっくらとほどよく仕上がりました。それを香草や紫玉ネギの薄切りなどと和えてできあがり。いままで食べたラープガイの中でもダントツのうまさ。感動です。マットさんに出会えたことを、ワットポーの涅槃仏に感謝したくなりました。もともとラープ好きですが、マットさんのラープはボールで山盛りに食べたいです。 タイのバンコクは、家族で住むようなアパートでも、部屋にキッチンがないというところも多い(安い屋台がたくさんあるから)というので、バンコクっ子のマットさんには少々不安も感じてましたが、そんな心配は一蹴されました。粉々。段取り は完璧で、手際もいい。料理に対する愛情も感じられて、すっかりマットさんのファンになりました。ちょっぴり控えめながら人なつこいところも、タイ人らしくて素敵です。 おみやげにとタイのココナッツキャンディをひとり分ずつ小分けに袋に入れて用意しておいてくれたり、大量にコリアンダーを買っておいてみんなにわけてくれたりという心遣いもうれしかったりして。って、また食べ物に釣られてますが。 そうそう、マットさんは僕が滝のような汗を流しながグリーンカレーやラープガイを食べる姿を見て、「ごめんね。辛すぎたのね」と何度も心配してくれました。やさしい人。でも、大丈夫、僕がデブで汗かきなだけですから。ぜひまたクラスに参加したいです。 <写真>
matt1 大まかにカットした鶏の胸肉にニンニクとパクチーを加えて、ブレンダーで挽肉を作ります。だから香りのいいおいしい挽肉に。
matt2 フライパンの底に1cmほどの水を注ぎ、沸騰したら挽肉を投入して、ほぐしながら茹でるように火を通します。
matt3 絶品のラープガイ。挽肉がふんわりしていて、食欲をそそります。上にかかっているのは餅米を煎って作ったライスパウダー。
matt4 手際よく次々と料理を作るマットさん。ちなみに彼女の家の台所は6畳ほど。こんなに広いキッチンなら料理も楽しいだろうなー。
matt5 タイのレストランを思わせるテーブルセッティング。この日のライスはタイのジャスミンライス。ごはんもおいしかったです。
matt6 グリーンカレーはペーストだけでなく、最後の仕上げにもフレッシュな香草を加えます。さわやかな香りを引き立たせるため。
matt7 しめにはカボチャとコーンをココナッツミルクで煮たデザートを。おしるこのように少量の塩を加えて甘さにコントラストをつけます。
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