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外国のめずらしい料理が好きな
ニキズキッチン・ファン必見の
胃袋を刺激するイラン映画。
「映画:イラン式料理本」
上映予定館
・東京:神保町岩波ホール (9/15~上映)
・大阪:シネマート心斎橋 (秋から上映) 他
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「映画:イラン式料理本」
まだ少し先ですが、晩夏に公開される「イラン式料理本」という映画を紹介します。
この作品、タイトルの通りイランの映画です。今年はイラン映画が多いです。と言っても4月に公開された「別離」につづいて2本目ですが、日本では
イラン映画はめずらしいのでこれでも「多い」と感じますね。ちなみに、この「別離」はイラン人の夫婦感やイスラム教徒であるイラン人の物の考え方
などが描かれた興味深い作品でした。ベルリン映画祭で主要3冠を取り、アカデミー賞でも外国語映画賞を受賞しまし た。機会があれば、こちらもぜひ観てみてください。
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さて、今回の「イラン式料理本」ですが、こちらはストーリーがありません。キッチンで料理を作る女性たちに、据え置きしたカメラを回しながらインタビューするというドキュメンタリーもの。料理本と言いながら、この映画を観ればイラン料理が作れるというレシピ的な内容でもありません。料理の作り方の説明はごく簡単に。それでもニキズキッチンで外国の料理を習いたいという方の好奇心を深くくすぐることでしょう。7人の女性がそれぞれに料理を作ります。
まず最初に登場するのは、監督の母親の友人という物静かな女性。ルビヤ・ポロと呼ばれる伝統的な豆のピラフを作ります。丁寧な作業から料理が好きなのだろうということがうかがえます。監督の母親はイスラム教のラマダン期間中に日没後に食べる特別な料理、叔母は彩りの美しい宝石ピラフ、妹はナスの煮込み、義母は塩漬けにした葡萄の葉で炒めた米や玉ねぎを包んで煮込んだドルマや巨大肉団子のクフテを作ります。缶詰のシチューを調理(?)しながら「料理なんてコキ使われてばかりで冗談じゃない」とブツブツ文句を言い続けていた妻とは、撮影後に離婚したとか。
イランは40~50年前の日本のよう。男は出された料理を食べるだけで、家事にはまったく関心がなく、手伝うことはほとんどない。それどころか、仕込から始めて延々と時間のかかる
料理を15分ほどでたいらげて、「こんなの1時間くらいで出来るだろ」とのたまう。監督が 何時間もかかっていることを告げると、「手際よくやればもっと早く出来るはずだ」なんて無神経なことを平然と言う。やれやれ。
試写会用のパンフレットに批評を書いている映画評論家の女性は「料理作りにあまりに時間と手間がかかるのでア然とさせられる」と書いてますが、確かに下ごしらえからはじめて食べるまでに4時間も5時間もかかるのはちょっとスゴイかも。ただ、昔ながらの料理をきちんと作るのは大変。キッチン
に立たない男たちには想像もつかない手間と時間がかかります。3年前にメキシコに帰国したルシオの料理も、チョコレートのモレを作るのに何時間も煮込んだりして、ニキズ歴の長い人であればご存知でしょう。市販の挽肉でも代用できるのに、食感が大事だからとわざわざ豚のかたまり肉を包丁で小さく
刻んで使う先生もいましたね。誰だったっけかな…。
どこの国でもキッチンは女性の聖域。つい本音を漏らしてしまう場所なのでしょう。そこではイラン人の生活が明らかになります。料理を作りながらボヤく女性たちの言葉に、イランという国の文化や習慣が垣間見えます。たんなる風習ではなく、宗教によっても男社会が確立されているイラン。そうし
た環境の中で生きる女性の生き方や、それでも徐々に移り変わりつつある現実の社会も織り込まれています。
ちなみにこの作品、本国イランでは上映禁止なんだとか。エッチなシーンがあるわけでもないのに。きっと女性たちが夫や姑に対する不満を述べたり軽
口を言うのが、イスラム教的にはNGなんでしょう。そうした裏事情も知った上で観ていただくと、より感じるものが大きいかもしれないですね。お楽しみに。
(text/キヌガサマサヨシ) |
■「イラン式料理本」
9/15(土)より岩波ホールほか全国で順次ロードショー。
www.iranshiki.com
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■公式サイト「イラン式料理本」 |
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(c)2010 Mohammad Shirvani. All rights reserved. |
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