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『ステーキ・レボリューション』 10/17(土)より、YEBISU GARDEN CINEMA / 109シネマズ二子玉川 / 大阪ステーションシティシネマほか全国順次公開 |
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肉を焼いて食らう。シンプルな料理ながら、ご馳走感が高く、食べた後の満足感も高いステーキ。そんなステーキの魅力的に憑りつかれたのが、この映画『ステーキ・レボリューション』のプロデューサーであり監督であるフランク・リビエラ氏でした。 リビエラ氏の「世界一うまいステーキを食ってみたい」という欲望が、この映画を誕生させました。公式的には、なぜフランスの牛肉は他の国で食べる牛肉とは別物のように思えるのかを突き止めたかったから、と発表されていますが、「とにかく食いたかった」というのが本音でしょう。ちなみにこの人、実家が牛の繁殖農家だそうで、もともと牛肉とステーキに強い関心があったと思われます。 子どもの頃は自分の家で育てている牛の肉を使ったフランスのステーキが一番だと思っていたリビエラ君は、大人になって外国でステーキを食べてみると、どうやらフランスが一番というのは間違いだったかもと気付いてしまいます。ペットの犬がドッグフード以外のものを食べた時のように、世の中にはフランスのよりもっと美味しいステーキがあると知ってしまったのです。 で、パリで一番と言われる精肉店「ル・クトー・ダルジャン」の店主であるイヴ=マリ・ル=ブルドネックに声をかけ、世界で一番美味しいステーキを探す旅に出ました。世界の20カ国を巡り、200を超えるステーキハウスで食べまくる。その期間は2年にも及びました。と言うと、大きな苦労を乗り越えた2年もの月日のようにも思えますが、実際は美味しいステーキを追いかけて世界中旅する魅惑の日々だったはずです。リビエラ氏はうまくやったもんです。それをただの趣味ではなく、仕事にしちゃうなんて。 もちろん、そんな素敵な旅のすべてを映画として見せられるわけではないので、映画では彼らが認めた世界のベスト10のステーキを紹介しています。ここで全部は明かせませんが、ニューヨークのブルックリンにある「ピーター・ルーガー」をはじめ、サンパウロ、フィレンツェ、モントリオール、ロンドン、ブエノスアイレスなどなど、世界中の有名店を訪れて絶品ステーキを食べまくります。あー、うらやましや。 「ピーター・ルーガー」といえば、アメリカン・プライムビーフの名店と称賛される老舗ステーキハウスです。名物の「ポーターハウス・ステーキ」は、巨大なTボーン肉を熟成させてから焼く技ありステーキで、さらに炭火でグリルしたあとに皿に乗せてバターとオイルをたっぷり振りかけてオーブンで二度焼きするという独特な調理法で仕上げます。熟成肉特有のナッツのような香りがして、天国の味とか言われちゃうほどの美味しさらしいです。映画では、ただ「美味しい」と言うだけではなく、その食材としての肉のこともリサーチしています。「ピーター・ルーガー」の肉は、穀物飼料を与えてスピード飼育した牛の肉を使用しています。だからやわらかくて美味しいのだと、同店のオーナーは語ります。 しかし、別のある国では、じっくりと何年もかけて恐竜のように大きく育てた牛の肉のステーキを食べて、その美味しさに目を見張ります。「穀物飼料を使うと脂っぽくなってダメだ、脂の少ない赤身こそがうまいんだ。そのためには牧草で育てないと」と主張する牧場主とも出会います。日本人の目から見ると、アメリカのステーキ肉は脂が少ないように見えますが、世界にはそんなアメリカの肉を脂が多いと感じる人々もいるというのが意外でした。食文化の違いでステーキに対する嗜好も異なるし、その牛の飼育の仕方も違い、調理の仕方も様々です。シンプルなのに奥が深いステーキの世界に引きずり込まれます。 彼らは日本にも来ていました。神戸牛を飼育する繁殖農家も訪ねて、日本式の飼育も見学していました。東京のステーキハウスで霜降り肉のステーキを頬張って、感嘆の声を漏らしました。が、和牛が唯一無二のステーキというわけではありません。だからこそ、この映画が作れたわけで、そこが料理の興味深く面白いところです。和牛も驚くほど美味しいけれど、ステーキには別の美味しさもあるのだと、美味しさの多様性に気付かせてくれます。日本でも数年前から注目されている「熟成」は、たっぷり運動した筋肉質で脂の少ない赤身肉を美味しく食べるための知恵だったという事も勉強できます。肉好きとしてはノートを取りながら見たい映画です。 アメリカでは証券マンや作家になるようなエリートの中に肉牛農家となるアントレプレナー・レボリューションが起こっているとか、スウェーデンではMBAを持つ物理博士が和牛ビジネスに取り組んでいるとか、フランスでは大富豪が全財産を懸けて昔ながらの方法で牛の飼育に挑戦しているなどといった、牛肉業界の裏話を知ることもできます。 もっとも、映像を見ているだけでは美味しさはわかりません。どんなふうにとろけるのか、どんな旨味なのか、どんな噛みごたえなのか、想像するだけです。「表面は香ばしくかりっと焼けて、中はジューシーで」なんて言われて、食べたくならないはずがありません。映画を観ていると、途中からちょっとした拷問のようにも思えてきます。試食タイムもないまま、美味しそうなステーキの映像を次から次へと見せられて、気絶しそうになります。 劇場に足を運ばれるなら、ぜひともその付近でステーキが食べられる店を検索しておくことをおすすめします。急いで駆け込まないと、肉食願望が膨れ上がってパニック症状を起こす恐れありです。ご注意を。
監督:フランク・リビエラ © 2014 LA FERME PRODUCTIONS SAS et C.PRODUCTIONS **************************************** 『ステーキ・レボリューション』の公開を記念して、 六本木の「ウルフギャング・ステーキハウス」で スペシャルイベントが開催されます。 劇場公開に先駆けて、レストランで『ステーキ・レボリューション』を鑑賞し、そのあと「ステーキ食べたい!」という気持ちが最高潮に高まったところで、極上ウルフギャング熟成肉コース料理をいただくという至福のイベントです。 【日時】10/13(火) 12:00~16:30 ご予約の際に「ステーキ・レボリューションのイベント参加」とお伝えください。 ※10/17(土)映画公開日の当日がお誕生日の方は、お電話にてその旨お申し出ください。 スタッフよりスペシャルプレゼントをご用意させていただきます。
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