<スコラチカの作ったBlack eye beans Photo:Niki>



アフリカン・アメリカン特有のお料理を総称してソウルフードと呼ぶ。料理の歴史は古く、ソウルフードという言葉の歴史は浅い。1960年代、アフリカ系の公民権運動が盛んだった頃に生まれた。「ソウル」とは「元気づける」という意味からきている。

 NYハーレムのソウルフード・レストラン。着席と同時に運ばれてきたコーンブレッド。かすかに甘く柔らかい。付け合せはメニューの中から2品選べる。豆の煮込み、甘く煮込んだキャンディヤム、スモークハムと青菜カラードグリーンの炒め物、チーズグラタンのようにもってりとしたマカロニ&チーズ。これにメインのフライドチキンがくれば完璧だ。どれもあっさりした味わいの中にこくがある。日本人になつかしい感覚を呼び起こさせる料理ばかり。そして工夫により生み出されたユニークなお料理の数々。それがソウルフードだ。

サンクスギビング。人種の境目をなくして食事を楽しもうとする多民族国家アメリカならではの祝日。人種の境目をなくしても食べ物はルーツにより変化する。同じターキーでもプエルトリコのリナはクミンとにんにくをつかって焼き上げた。欧州系系リンダはバターをたっぷりターキーに塗りこみ、クランベリーソースとセロリで味付けをした。果たしてソウルフードのサンクスギビングとは?

出会いが変われば出会える料理も変わる。年に一度の特別料理。


今回はそんな由緒正しいソウルフードスタイルのサンクスギビングをスコラチカが再現してくれた。



写真。これがソウルフードの伝統的なサンクスギビングスタイル。どのお皿もスーパーサイズ。

今回再現してくれたのはまずはターキー。バターは塗らず肉汁とコリアンダーの入った特製シーズズニングソースで焼き上げる。中のスタッフィングは香付けの為ターキーが焼きあがったときに捨ててしまう。

上記写真。ターキーから時計回りに肉に詰めないででとっておいたスタッフィング。ブラックビーンアイズの煮物。コーンブレッド、マカロニ&チーズ、バナナケーク、スモークハムとカラードグリーンの炒め物。写真にはないがこれにコーヒーとスイートポテトパイ、クラスの前にはお手製のアペタイザーが付く






今回スコちゃんが用意をしてくれたバックミュージックにはアフリカの最新音楽。ダンスもメロディもとっても陽気。カリブ音楽風。コラBraysila!淑女がなんて顔を...

                        






このユニークで美味しいお料理は、貧しかった時代。主人が食べ残した野菜の切れ端、肉の部位、配給によって配られるひきわりとうもろこしの粉、8ポンドの塩漬け豚肉。これらをアフリカ独特のスパイス、そして交流のあったインディアンから得た情報、現地で取れる食用のスパイスやハーブで味付けをして生また。またアメリカンアフリカンは読み書きが禁止されていたため、世代から世代へと口承でレシピが伝えられた。その伝統は今もアフリカン・アメリカンの中に息づいている。

コーンブレッド
。豆料理の付け合せにぴったり。塩味と甘み味の2タイプがある。高価な小麦粉の入手が困難だったため支給物のトウモロコシの粉からパンを生み出した。

カラードグリーン。高菜に似た少し厚めの菜っ葉。別名アフリカンキャベツ。アフリカ原産で、アフリカではチキンやトマトとの煮込み料理等としても使われる。ソウルフードではポーク・チョップやスモークハムとの煮込み料理が有名。ほんのりビターテースト。クタクタと煮込んで使う。アフリカンアメリカンがアメリカに連れてこられた時ゴマ、オクラ等と一緒に種を持ち込んだ。

豆の煮物。ブラックビーンズやブラックアイビーンズ。欧州系がの食べ残した豚の内臓(ホルモン)と一緒に煮込んだり、スパイスや野菜の切れ端と一緒に煮込んだりして生まれたユニークなお料理が数々存在する。

マカロニ&チーズ。チェッダーチーズに牛乳で半グラタン状に仕上げオーブンで焼く。ソウルフードの定番中の定番。

スイートポテトパイ。アメリカンアフリカンの感謝祭はスイートポテトパイで締めくくられる。

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