◆ゲートでまっていると、スコちゃんの2歳の娘マミーがやってきた。

スコちゃんは10歳までをカメルーンで過ごし、カナダのオタワに移住。22歳でアメリカ人と結婚。現在26歳。カメルーン、カナダ、アメリカ、日本とめまぐるしく世界を移り住んできた。

「カメルーンでは2歳で水を運びを、5歳でお料理を始めたの。国ではお料理が上手な人は良いお嫁にいけるといわれて多くの子供達が小さい頃からお料理をたしなむのよ。」

わたしたちはスコラチカの後を、追うように門をくぐる。

車に乗り込むと何もかも巨大な景色に圧倒される。まるでガリバーになったみたい。

わたしたちの周りを嬉しそうにクルクルとマミーが周る。2才になったばかりのマミーはまだ、あまりしゃべることができないけれど、一生懸命、愛情でおもてなしをしてくれる。

メキシコ料理  ロシオ 





カメルーンを知ろう〜
カメルーンといえば小さな身長で有名なピグミー族の村があります。男性の平均身長は145cm。女性の平均身長は135cm。狩りの時に小さい方が動き回れるから時間をかけて進化していったようです。また結婚後に最初に新婦がやることは、家を建てること。、木の枝で骨組みを作り、葉をのせていく。夫婦喧嘩をすると、女性が家を壊してしまうそうです。

◆日本でのワールドカップの時に中津江村に滞在したカメルーンサッカー選手、そして彩り豊かなサポーターが注目を集めました。カメルーンは陽気で豊かな色彩感覚と優れた音楽能力を持った人々であふれています。カソリックの信者が多く日曜日の教会とゴスペルミュージックをとても大切にしています。



<参考 カメルーン旅行記









スコラチカさんに出会うまでには数々の手助けがありました。Miyukiさん。IOさん。メイさん...etc。クラスを開くために仕事の合間や、休みの日に何度も話し合いに出向いてくれたり、毎日何通もメールをやりとりしたり。その間実に半年間。ようやくひとつまた実を結びました。

◆初めてスコラチカさんのキッチンへ入ったとき、まず目に飛び込んできたのは「ティラピア」。青いボールにダン!と真っ二つに切り刻まれ山盛りに置かれている。しかも目が獰猛!うわぁアフリカ料理ってこんなの?すでに来たことを後悔しはじめていた。ひきまくっている私を背にスコラチカさんは、手早くティラピアにスパイスをまぶし揚げていく。でもティラピアってとても美味しくて養殖用に日本でも輸入されていたんだよね。真鯛に味が似ているんだって。と聞きちょっぴり胸をなでおろす。

こんがり揚げられたティラピアはトマトオイルソースでじっくりとにこまれていく。なんだかお料理がギラギラしてきた。






◆次にとうもろこしの粉を熱湯の入っている鍋にあけ、木べらでじっくりと、かきまわしはじめる。そして練って固めた餅状のものを作る。

この練る作業がまた重労働!木べらが重くてぜんぜん回らない。でも回さなきゃ作れない!小さな鍋なのに、なんだか校庭を大きなローラーで成形するようなそんな気持ちになってきた。

このお料理の名前はフフ。主食のためほぼ毎日スコラチカさんは作っているんだそう。(すごいぞ!)

このフフについては面白いエピソードがある。とある記者がアフリカの陸上選手に「なぜ短距離が早いんだ?」と聞いたところ「俺達は毎日フフを食べてるからさ!」という答えが返ってきた。

フフはアフリカ各地でとうもろこし、キャッサバ、ヤムと材料は変わるが主に炭水化物が主原料だということは変わりない。炭水化物を補給してもたんぱく質も同時に補給しなければ筋肉は作られないので「はて?」とおもった記者。

聞いてみると、美味しいフフを作るには、かなりの腕力を必要とするということ。素手であっても、道具を使っても、かなりの力を加えなくてはならないのだ。

この餅つきのような重労働が強靭な筋肉を作り出す。アフリカンパワーを垣間見た気がした。



   


◆唐辛子をさっと茹で、玉ねぎ、にんにく、塩と一緒にブレンだーにかけた唐辛子ペーストを作ってくれた。これがまた美味!どのお料理につけても美味しくいただける最高の一品。今度また訪れたときにリクエストしてみよう。

◆アフリカでも料理用バナナ、プラタノは大人気。冷蔵庫でふっくり熟成させたバナナをさっと揚げたフライはほんのり甘い優しい味がした。

   


◆カラードグリーンとフライドチキンをトマトオイルソースで煮込む。作り方は簡単。とても美味しくいただけた。揚げたものを煮込むのって旨みがましてとても好き。これは家でも作ってみよう。

◆重労働のフフができあがった。ちょっぴり畑の香りがする。これがアフリカの主食か!フムフム。これと同じ料理がイタリアにもあるらしい。

◆そしてティラピア。とてもあさっりしていてマスに似た味がする。なんだか日本食みたい。白いご飯にとても合う。

感想。アフリカ料理って特別なアレンジがなくてもテーブルに美しく映える。そんなお料理だ。ギラギラした太陽の陽差しにお料理だって負けちゃられない。

お料理をしてる横でマミーが嬉しそうに笑う。あまりにも可愛くてみんな手を休め合間合間にマミーと遊ぶ。

スコラチカはそんな風景をのんびりと眺めている。穏やかな休日の午後、時はゆっくりと流れていった。



 Photo&Write:Niki
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