|
||
<映画紹介> |
||
|
||
「大統領の料理人」は、実在するフランスの女性シェフの体験をもとにした映画です。
映画の中の主人公はオルタンス・ラボリという名前になっていますが、モデルとなったのはダニエル・デルプシュさん。フランス南西部のペリゴール地方の出身で、自宅で小さなレストランを経営していました。
ペリゴールはフランスの中でもとくに自然が豊かなエリアであり、フォワグラとトリュフの名産地としても有名です。また、この地方のベルジュラックやモンバジヤックにはワイナリーも多く、ボルドーにも近いので、パリから500kmほども離れているのに「美食の地」として食通たちに一目置かれているのだとか。
そんな土地で、ダニエルさんは料理上手な祖母や母から習った料理を伝えるべく、伝統的な郷土料理を教える料理学校も開いていました。 旬の素材のおいしさを引き出す料理を考え、大統領の出身地から料理の好みを推測してメニューを考える彼女を見ていると、 料理はじつにクリエイティブな作業だと改めて感じさせられます。素材に対する知識と、調理する知恵、そして食べる人を喜ばせたいという思いが料理を美味しくする、 という彼女の信念が伝わって来ます。 ちなみに、映画の中で登場する料理は、どれも実際に彼女が大統領のために作った料理を再現したものだとか。 こんな贅沢な料理が家庭料理なのかと思いますが、サーモンのシューファルシや、フォアグラや鴨などをパイ生地で包んだ「美しきオーロラの枕」 など食欲をそそる料理が次々に登場します。空きっ腹で観るのは危険かも。 大統領は彼女の料理を気に入り、明日が楽しみだ、と声を掛けるほどでしたが、事務方からは予算のことや大統領の健康を考えての食材に対する指示を押しつけられます。さらに、大厨房のシェフたちの差別的な態度もいつまでも変わらず、彼女は次第に疲れ果ててしまいます…。 彼女が大統領の料理人となったのは1988年。40代も半ばを過ぎてからだったそうです。 それから2年間、様々な軋轢を受けながら敵だらけの官邸で孤軍奮闘した彼女。 料理を愛し、美味しい料理で人を喜ばせたいと願う彼女の純粋さに胸を打たれます。 料理って素晴らしい。 料理を作るのが好きな人に、ぜひ観てもらいたい作品です。 ■「大統領の料理人」 9/7(土)から、シネスイッチ銀座、 Bunkamuraル・シネマほかで全国順次公開 http://daitouryo-chef.gaga.ne.jp/
Copyright (c) Les Saveurs du Palais ©2012 –Armoda Films- Vendome Production –Wild Bunch – France 2 Cinema All Rights Reserved.
|
||
|